猫の病気は大阪市平野区の南大阪動物医療センターへ
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咳・呼吸器系

咳・呼吸器系の病気について
発咳

猫の咳を聞いたことがおありだろうか。犬も猫もくしゃみは人とよく似て「くしゅん」というあれだが、咳はそれぞれに個性があり、初めてそれを聞いたときの飼主はすぐには咳と分からないことも珍しくはない。

犬の場合はのどに何か引っかかったような感じで「カッ、カッ」と大きく口を開けて苦しそうにするが、猫の場合は「ヒーッ、ヒーッ」としぼり出すような感じだ。いずれもそれが犬と猫の咳なのである。


咳には様々な原因があり、犬ではケンネルコフなどの感染症、気管虚脱や気管支炎、肺炎、フィラリア症、僧坊弁逆流症のような心不全などが主な原因となる。猫では伝染性鼻気管炎などの感染症、気管支炎や肺炎などが挙げられる。

いずれの疾患も原因治療が大切なことは言うまでもないが、乾燥した空気、パンティングするほどの室温、空気の汚れなど、気道刺激が強いほど、咳が悪化することは共通しているので、環境を整えることは重要である。

 
猫の喘息

喘息とは感染症や心不全、腫瘍などの他の原因の除外された慢性気管支炎を指す。原因は、有害刺激に対する一種の過敏症である。この「猫の喘息」は決して珍しい病気ではなく、100頭に1頭くらいの割合で発生し、中でもシャム猫での発生率は他の猫の5倍に達すると報告されている。


症状の軽い初期には、忘れた頃に「ヒーッ、ヒーッ」と咳をするくらいで、見過ごされることが多く、放置しがちな病気だが、この初期に空気清浄機を導入したり、家族の喫煙を制限した症例では、そのまま症状がなくなり、事なきを得る場合も少なくない。

重症例においても、刺激の原因除去が治療の最優先課題であることにかわりはないが、最近では人と同様、プロピオン酸フルチカゾン吸入剤による吸入療法が利用可能となっている。

猫の僧坊弁逆流症

中年期以降の小型犬に多くみられる「僧帽弁逆流症」は咳をおもな症状とする代表的な病気の一つである。この病気の原因は、心臓の4つの部屋のうち、左心房と左心室の間にある僧帽弁と呼ばれる弁膜が変性を起こしてイボイボになってしまうことによる。弁膜の仕事は血流を一方通行に保つことで、イボのせいで閉じたときにもすき間ができるようになり、そのすき間から逆流を生じてしまうのである。その逆流によって血液の流れが悪くなり、左心房が大きく拡張し、さらには肺全体がうっ血することになる。

この左心房の拡張によって気管支が持ち上げられたり、肺全体がうっ血することによって、運動後の咳や夜中の咳が出ることになる。症状が進むと、少しの運動でも呼吸が荒くなったり、疲れやすくなってくる。そして、最終的には肺が水腫をおこし呼吸困難が現れる。


この病気の進行はゆっくりで、左心房へ逆流を生じ始めてもすぐには症状がない。心臓はいつも以上にがんばることで、逆流して不足した分量に見合うだけの量を余分に送り出そうとする。

つまり、安静にしていても全力疾走しているときのように仕事をすることによって、体の要求にこたえようとするのである。そして、それが限界を迎えたときに重い症状が出るということになる。この病気の根源的な治療は弁膜を取り替えることだが、実際的ではない。


しかし、幸いなことに、ACE阻害薬などの優れた薬剤によって心臓の負荷を大きく軽減することが可能である。

その結果、心臓のがんばりを最小限に抑え、限界を迎える時期を大幅に延ばすことができるようになった。咳などの軽い症状の内から心臓の負荷を減らすことで、生活の質を落とすことなく数年という長きにわたる延命がかなうことも珍しくはないのである。

短頭種症候群

短頭種では鼻の穴が小さくのどが狭いなど、呼吸をするときに空気の入ってくる入り口が小さいということから、様々な呼吸に関する問題が生じてしまう。その代表的なものが気管虚脱である。

短頭種は活発な性格のことが多く、どちらかというと肥満傾向があり、すぐに興奮しては「ハーハー」とパンティングを始める。これは言い換えると、しょっちゅう狭い開口部分から無理に息を吸い込もうとしているわけで、カーテンを吸い込んでしまったときの掃除機のホースのように、常に気管に押しつぶす様な力が加わっていることになる。

こんな状況で何年かが経過すると気管がひしゃげ、ガーガーと音を鳴らして呼吸をするようになり、わずかな興奮でもすぐに咳き込んでしまうのである。


軽症のうちに生活環境を整え、肥満を解消し、悪化しないように心がけることが重要であるが、最近では気管内に支えとなるステントを挿入するという治療も始まっている。