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皮膚病

皮膚の病気について
外部寄生虫

猫が身体を掻く原因として、最も一般的なものはノミである。被毛の付根 に黒色の細かい粒(ノミ糞)が見つかれば、ノミ成虫を見つけることが出来なくても原因はノミと考えるべきである。


最近では効果の非常に高いノミ駆除用スポット剤があるため駆除を容易に行なえるようになった。定期的な駆除薬の滴下は推奨されるが、住環境における完全なノミコントロールには、IGR(昆虫成長阻害薬)などを併用し、環境の清掃も重要である。

多数のノミの寄生により激しいかゆみを生じる場合をノミ刺傷といい、少数の寄生でもノミにかまれた部分に残るノミの唾液に対して激しいアレルギーを起こす場合をノミアレルギー性皮膚炎と呼んでいる。


ノミアレルギー性皮膚炎は皮膚炎の中で最も激しいかゆみを伴うといわれており、ステロイド剤の使用や完璧なノミコントロールが必要なため、駆除薬を使用してもかゆみが軽減しない場合には獣医師の診察を受けるべきである。

 
アレルギーとアトピー

アレルギーとアトピーは現在でも用語として混乱して用いられているが、アトピーは広義にアレルギーを起こしやすい家族性の体質と理解すればよいだろう。

アトピーは生まれついての体質であるため、かゆみ(掻痒)という症状は一般的に1歳未満で発現する。それに対して通常のアレルギーは抗原物質への反復する暴露によって発症するため、4~5歳以降に見られることが多い。


アトピー性皮膚炎の多くはハウスダストマイトに対するアレルギーである。はじめての症状はわずかな紅斑と強い掻痒で、皮膚にはほとんど何の変化も無いのが常である。しかしそのまま放置すれば二次的に細菌感染や真菌感染を起こし、症状は次第に増悪する。


ノミ等の寄生虫が否定され、掻痒のみが強い場合には、オートミールシャンプーで通常よりは頻繁に(週に1~2回)シャンプーをすると良い。

オートミールには掻痒を抑え保湿するという効果があり、低刺激で安心して使用できる。症状が改善するようならオートミールシャンプーによるスキンケアを継続すればよい。最近では糖質+脂肪酸配合のシャンプーなども使用可能となっている。

進行性に皮膚症状が悪化するなら、獣医師の診察を受けるべきである。重度のアトピーではステロイド剤、シクロスポリン製剤、インターフェロン製剤などの使用を検討すべきである。

膿皮症

皮膚の表面には、ブドウ球菌、マラセチア(イースト菌の仲間)などが常在する。通常は皮脂や細胞性免疫などの表皮バリアによって皮膚そのものへの侵入が防がれている。皮膚が不潔になったり、他の皮膚炎が存在すると、ブドウ球菌による感染が成立し膿皮症となる。

膿皮症のケアは抗菌剤を含むシャンプーによるスキンケアで大半が成功する。クロルヘキシジンや過酸化ベンゾイルを主成分とするシャンプーが推奨される。


皮膚感染が慢性化しているような症例では、抗生剤により治療が必要となるため、獣医師の診察を受けるべきである。

脂漏症

表皮の代謝サイクル(皮膚のターンオーバーという)も他の品種と比べて短いことが多く、角質層の形成が極めて悪い。

結果として、皮膚の表面がベタつき、掻痒が発現する。このような品種では、頻繁なシャンプーによって過剰な皮脂を取り除くというスキンケアが推奨されてきた。抗脂漏シャンプーと呼ばれるタール分を含むシャンプーなどである。

最近では、フィトスフィンゴシンを主成分とする、角質層の形成を促し過剰な皮脂を軽減するようなシャンプーも利用可能となっている。

脱毛

脱毛の原因には、日本犬で見られるような季節的な換毛のように、生理的なものも多いが、免疫が関連する免疫介在性皮膚炎や、甲状腺、副腎などのホルモンの異常による内分泌性皮膚炎のような場合も少なくない。これらの場合に脱毛は、全身の異常のひとつの症状として、疾患を反映しているに過ぎないため、獣医師による診断が不可欠となる。

  • 猫の甲状腺機能亢進症

猫で多いのは甲状腺機能低下症ではなく、その反対、甲状腺機能亢進症である。多食で多飲、良く食べるのにやせていく。

中年以降から老年期の猫に多く、年の割にやたら活発で攻撃的ですらある。頻呼吸・頻拍で、時に下痢・嘔吐がみられ、亢進した代謝をささえるために肝臓や心臓は過重な仕事量を課せられ、肥大型心筋症を発症していることもある。

これも、元気で良く食べるからといって放置は出来ない。甲状腺が肥大してのど仏のあたりの左右が少し膨らんでいることが多く、やせの大食いの猫でのどの辺りがぷっくりしていれば検査を受けた方がよい。


治療は容易ではないが、抗甲状腺薬や外科的治療を組み合わせる。ラジオアイソトープを用いた治療は日本では猫に適用できない。治療によって隠されていた腎不全が顕在化することもあり、獣医師の診察を受けるのが最善といえる。

 
腎不全(急性・慢性)

腎臓の機能3分の2以上が正常に機能しなくなると腎不全という。健康時でも3分の1~4分の1ぐらいしか働いてない。


腎臓の主な機能は、体内で代謝され不要となった物質と余った水を排泄する役目と、血液中の構成成分を調節です。腎不全になると、老廃物を排泄したり、体に必要な液体や電解質を再吸収することはできません。

1度こわれた腎臓の組織は元に戻りません。そのため慢性腎不全になることが多く、年齢とともに機能が低下するので、特に高齢の猫に多いようです。気づかず放置すると尿毒症になるので注意が必要。